遊戯の条件〜 YGO condition〜

遊戯王のアニメ感想やデッキ構築を上げるブログ

カプ厨は遊戯王アニメを見よ

 

 

タイトル通りである。

本記事では幅広い人気の割に具体的な作品への検討が非常に乏しい遊戯王アニメシリーズへ、今回はいわゆるCPという視点から検討を行うものである。

主に筆者がオススメする各遊戯王シリーズの二人のキャラクターに焦点を当て検討するが、内容は主に、その二人に関するストーリーを軽くおさらいし、その二人の核となる部分、その後筆者が勧めるポイントを紹介する。

なお本記事における紹介はあくまでも筆者個人の感性によるところが大きく、また、ここで私が言うCPとはせいぜい「コンビ」とか「2人組」程度のものであり、どのCPが正しい解釈であるとかそのようなことは意図していないためご容赦願いたい。そしてなるべく遊戯王アニメを見たことがない人も想定して書いているため、紹介がくどい可能性があるがそれもどうかご容赦願いたい。

 

ではここからは具体的な検討に入る。

 

 

不動遊星とジャックアトラス

 

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遊戯王5D'sより遊星とジャックである。

 

この二人は、遊戯王5D'sの主人公とライバルであり、話の軸となるキャラクターであり、5D'sはこの二人の因縁から話がスタートする。釈迦に説法になるかもしれないが、内容を軽くおさらいしておこう。

 

まず物語の当初、遊星はサテライトと呼ばれる被差別地域に住んでいる。ここでサテライト住民はシティと呼ばれる地域のためのゴミ処理などを行い、まさにシティを影から支えているのだが、サテライト住民はクズと罵られ、シティに入ることは許されず、遊星はそんなサテライトで、自分を裏切りシティへ行き、デュエルキングとなったかつての仲間、ジャックとの決着をつけるために、Dホイールと呼ばれるバイクを作り上げようとしていた…

 

というのが物語の序章である。

物語の序盤、5D'sはそれまでの遊戯王とはかなり毛色が違う作品であり、はっきり言ってかなり暗い作風である。遊星は、セキュリティ(5D'sにおける警察機構)から「サテライトのクズ野郎」と罵られるし、投獄され、拷問を受け、マーカーと呼ばれる刺青を顔に入れられる。

しかし、そんな辛い境遇にありながら、遊星は折れない。遊星を支えたのは、サテライトの仲間たちとの絆、そして、その時は失われていたはずのジャックとの絆と、その決着であったのだ。

 

そして遊星はジャックと決着をつけ勝利し、サテライト初のキングとなる。

 

ここまで遊星の時点で物語を振り返っていたが、ここで一度視点をジャックへと移そう。

ジャックは仲間である遊星たちを裏切り、シティで一人孤独なキングとして戦い続けていた。そして遊星に敗北することでそのキングの称号さえも失ってしまう。

しかしジャックはここで一人の女性と出会う。カーリーという新聞記者である。彼女はジャックに、今までのジャックは死んだんです。もう一度本当のキングを目指しましょうと告げ、ジャックを今一度たち直させる。

 

しかしその後カーリーはある事件に巻き込まれ死亡し、ダークシグナーと呼ばれる敵の仲間となってしまう。そしてジャックとデュエルすることになるのだが…(この話はとても感動するエピソードとなっている)

 

 

遊戯王5D'sにおいて何度も使用される「絆」という言葉、物語が進むにつれ、これは「チーム5D's(遊星とジャック達が作ることとなるデュエルチーム)との絆」という意味合いに変化していくが、当初は明らかに「今ここにいない、もしくはもう失われてしまった仲間との絆」という意味合いが大きかった。特に遊星とジャックに限って言うならば、「一度は自身を裏切り、見捨てた、ジャックとの絆」なのである。

しかしそれだけでは終わらないのがこの作品の面白いところである。遊星がジャックとの絆を取り戻すのだが、じゃあジャックは大人しくその後遊星の仲間に落ち着くのかというとなかなかそうはならない(最終的にはそうなるのだが)

 

カーリーと出会った後のジャックは、別に仲間や絆というものを信じていないわけではない。しかし、本当のキングとしての道を行くが故に単にそれだけに収まらないのである。ダークシグナー編のラストデュエルで、「確かに自分は遊星たち仲間の只中にいるが、確かにそれを自分は捨ててきた。しかしその後にたった一つ残るものがあった」とダークシグナー編のボスへと語る。

 

ではこの二人の何がオススメなのか、それは5D's序盤は、遊星とジャック、この二人の絆をめぐる物語を中心に話が展開されるからである。序盤はある種少々地味な場面も目立つが、それは壮大な物語への序章でもある。そして遊星とジャックのライバル関係は、お互いがお互いを認め合いながらも、それを超えてぶつかる、初代の遊戯と海馬を彷彿とさせる燃え上がるようなアツい関係なのだ。

 

 

 

黒咲隼とユート

 

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遊戯王ARC-Vより、黒咲隼とユートである。

 

黒咲隼は遊戯王ARC-Vにおける、いわゆる3番手ポジであり、ユートはその親友である。

 

遊戯王ARC-Vは、デュエルモンスターズにおける召喚法によって四つに分かれた次元で織りなす(無駄に)スケールのでかいストーリーが展開される。

 

その中でこの二人はエクシーズ次元と呼ばれる次元で平和に暮らし、日々デュエルを楽しみ、仲間として過ごしていたのだが、

 

その平和は長くは続かなかった。

 

エクシーズ次元は、融合次元と呼ばれる次元からの侵略者により、街は徹底的に破壊され、人々はなすすべなくカードに封印されていく(ARC-Vでは初代のオマージュとして相手をカードにする技術が存在する)

 

そしてこの二人は、それに対抗するレジスタンスとして日々侵略者たちと戦い続けていた。しかしその日々すらも長くは続かない。何故なら黒咲の妹、瑠璃が敵に攫われてしまうのだ。そしてそれに激しく怒った黒咲は次元を超えて旅に出てしまう。

そして黒咲は主人公遊矢の暮らすスタンダード次元で、融合次元の首謀者、赤馬零王の息子、本作はライバルキャラである赤馬零児の組織するLDSの人々を次々に襲撃、カードに封印していく。

しかし実はこの二人は共謀しておらず、それどころか赤馬零児と零王は不仲なのだが、それを知らぬ黒咲は襲撃を続ける。そしてある時そこにユートが現れる。そして黒咲にこんな無茶はやめろ、彼らは敵ではないと諭すが、怒りに燃える黒咲の耳には届かない。しかも大切な仲間であるユートに対して「邪魔立てするなら貴様も倒す」と告げる始末である。

 

そして黒咲はそこにいた瑠璃そっくりな本作のヒロイン、柚子を瑠璃と勘違いしてしまう。そしてユートは黒咲をパンチ一発で止め、その場を収集する。

 

そしてその後黒咲は赤馬零児と手を結び、デュエル大会にて黒咲は融合次元に対抗する人材を見つけ出すよう赤馬零児に命じられる。そしてユートはその最中に命を落とし、遊矢の中で眠り続けるのだが、黒咲たちの前からは姿を消すことになってしまう。

 

その後の妹を攫われ、ユートが行方不明となった黒咲は、まさに復讐鬼と化す。彼は主人公たちに同行するが、その際に融合次元の敵を次々と倒していく。そしてその際にユートのことを「俺の唯一無二の親友」と述べ、その志半ばで道を閉ざされたユートの憎しみを語るのであった。

 

黒咲にとってユートは、本人が述べた通り、まさに唯一無二の親友であり、そのユートに対して「邪魔立てするならお前も倒す」と言ってしまうことは、その黒咲の怒りの大きさが計り知れる。そして黒咲は、そのユートを最終回まで再び見ることはなかった。しかし、ユートという仲間がいるからこそ、黒咲はこうしてずっと作中を戦い続けることができた。その意味で、黒咲にとってのユートは、まさに「今ここにいないものとの絆」なのである。逆にユートの側から黒咲のことが語られることはそれほど多くはないが、ユートは黒咲を「隼」と呼ぶ数少ない仲間の一人であり、その絆の大きさを推測することができる。

 

ARC-Vにおいては、主人公でもライバルでもないこうしたサブキャラたちの活躍が多く、またその魅力も大きい。中でも黒咲とユートは、そうした魅力あるキャラクターたちの中でも最もアツいキャラクターであると言える。

 

 

おわりに

 

冒頭で述べたように、遊戯王シリーズはその人気知名度の割にその作品の中身の検討はあまりにも少ない。そのため、遊戯王ファン以外への紹介記事が一定あっても良いのではないかと思ったため、このような記事を書いた。できることなら、筆者よりもっと魅力ある文章で遊戯王シリーズの作品の魅力を伝える方が現れてほしいものである。本記事がそのようなインセンティブになれば幸いである。

 

 

さて、本記事はここで終えるが、ここでは紹介しきれなかった、他の遊戯王キャラクター達の魅力を伝えている別の方のブログを紹介しておく。

 

本記事でも紹介した、遊星と、十六夜アキ。カイト、遊作等が紹介されている。

https://kumota-hikaru.hatenablog.com/entry/2022/06/22/102718

 

https://kumota-hikaru.hatenablog.com/entry/2022/01/14/130333

 

https://kumota-hikaru.hatenablog.com/entry/2021/07/16/163705

 

本記事においても大きく影響を受けた記事なので、宣伝のようになってしまうが、参考文献としてこちらに提示しておく。時間があればこちらにも目を通してもらえると、さらに遊戯王キャラクターの魅力がわかるはずである。

そして、拙い文章でありながらここまで読んでいただいた読者の方には感謝を述べたい。